中国サプライヤーが実在の工場か確認する方法
Alibabaなどのマーケットプレイスに掲載されている「サプライヤー」の約60〜70%は工場ではなく貿易会社と推定されています。彼らは実際のメーカーから仕入れ、10〜30%のマージンを上乗せします。公開記録を使って両者を見分ける方法と、手付金を支払う前に確認すべき点を解説します。
なぜこの確認が重要なのか
手付金は越境取引で最もリスクの高い瞬間です。資金が口座を離れると、回収は遅く高コストになります。中国の公開記録を使えば、支払う前に「会社が実在すること」「貿易商ではなく製造業者として登記されていること」「執行・裁判記録がないこと」を確認できます。
手付金を払う前の6つの確認
1. 会社の存在と登記状態を確認する
正当な中国企業には18桁の統一社会信用コード(統一社会信用代碼)があります。国家企業信用情報公示システム(gsxt.gov.cn)で検索し、登録名称・法定代表者・設立日・登記状態を確認します。状態が「抹消」または「取消」であれば、請求元の法人は法的に存在しない可能性があります。
2. 事業範囲を読む
これが最も速い判断材料です。真正なメーカーの事業範囲(経営範囲)には「生産」または「製造」が含まれます。貿易会社は「貿易」「卸売」「販売」です。貿易用語しか含まれていなければ、ほぼ間違いなく中間業者です。
3. 登録資本と主張する規模を比較する
登録資本(注冊資本)は公開情報です。大規模工場や年間数百万の生産を主張しながら、登録資本が名目程度で住所が住宅というのは辻褄が合いません。設立日と主張する経験年数も照合してください。
4. リスク記録と裁判記録を検索する
経営異常名簿、重大違法失信名簿、行政処罰を確認し、中国執行情報公開ネット(zxgk.court.gov.cn)で失信被執行人や消費制限令の有無を調べます。これらは企業名で公開検索できます。
5. 税関の輸出入信用を確認する
実際に輸出している企業は税関輸出入信用記録(credit.customs.gov.cn)に現れるはずです。輸出工場と自称しながら税関記録がないのは矛盾であり、支払う前に解消すべき点です。
6. オンライン上の痕跡を照合する
ウェブサイト、マーケットプレイスの店舗、申告された住所・連絡先を登記情報と比較します。登録住所が工場か、オフィスビルか、共有仮想アドレスか。同じ製品写真が無関係な業者サイトに使われていないかも確認します。
手を止めるべき危険信号
- 設立から間もない、または登録資本が極端に少ない
- 事業範囲が購入予定の製品をカバーしていない
- 登録住所が住宅・仮想・集中登録アドレスである
- 法定代表者が多数の会社を持ち、その多くが異常
- 失信被執行人・執行・消費制限の記録がある
- 輸出工場と自称しながら税関記録がない
公開記録では分からないこと
公開記録で確認できるのは主体・構造・リスク履歴です。製品品質、生産能力、納品実績は測れず、メールの相手が本人かどうかも証明できません。これは第一段階のスクリーニングであり、工場監査や現地訪問の代替ではありません。
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